とらドラについて語る

去年の秋ごろ、思い立ってとらドラのアニメを全部見た。

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このシーンが1番好きだった(サムネ用)

 

なんかツイッターでボロカスに叩いてるのを覚えているフォロワーもいるかもしれない。

 

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こんな画像をツイートした記憶がある。

 

ぶっちゃけ、竜児が1番意味わかんないと思って当時はめちゃくちゃイライラしていた。

 

2年間櫛枝のこと好きだったのに、大河のこと急に好きになったりするか?みたいな

 

そもそも大河→竜司の描写は言動や行動に、序盤から潜在的にかなり現れているし、大河視点あんな男に惚れない理由がない、マジで。

 

でも、竜司→大河の好意のきっかけみたいな描写があんまりなくて、(勉強会かなんかの時に北村と大河がくっつくといいよねみたいなこと言われて沈黙したくらいしかなかったような気がする)流れとして不自然過ぎるだろみたいな不満を抱いていた。

 

が、まあ色々作品を見たり考えたりするにつれて、意味がわからないからイライラしてるんじゃなくて、「創作故の一途さ」「筋」的なものに裏切られてイライラしてんじゃね?みたいな気がしてきた。

 

つまり、不自然だからイラッとしたんじゃなくて、こいつだけ自然過ぎてイラッとしたんじゃね、みたいな話である。

 

2年くらい気になってる女がいて、そいつは自分のことまあまあ好きだけどはぐらかすキチガイだった場合に、身の周り出来ないカスだけど自分のことを慕ってる美少女が自分に恋愛感情を抱いているとわかったら…まあ…行くやろみたいな。

 

そういうイヤな感じの自然さで急に〆られるのがかなり居心地が悪かったんだろうと思う。

 

ちょっと本旨からズレるんだけど、男性が描く女キャラは男性的な思考が、女性が描く男キャラは女性的というのもあながち間違いでもないなと思ったりする。

 

なんというか、全然違うんだけど、「女子の下ネタガチでエグいからw」の「いや下ネタにそのリアリティ求めてないて」みたいな話かもしれん。

 

好きだから駆け落ちして終了とか、親なんか絶縁すれば良いみたいなエンドを迎えないところも妙に生々しい。

 

ただ全員が全員、恋愛において竜司のように主体性が微妙に欠けていて女性的なわけではないのがこの話のキモかった部分である。

 

というかなんなら、こと恋愛においては竜司が1番女っぽいし大河が1番筋が通っていてエグい気がする。

 

妥当性

突然だけど、人間の感情は

 

Aという出来事があり

 

Bという価値観に基づき

 

Cという気持ちになる

 

という、価値観というフィルターによってイベントが焙煎されたコーヒーのようなものだと思っている。

 

自分はたまに合理人間とか人の気持ちがわからないとか揶揄されたりすることがあるが、価値観が理解出来ないから否定してるわけではなくて、妥当性がないから否定してるんだけどな、みたいな気持ちになることがある。

 

つまり、A→B→Cの一連の流れに違和感を感じてるから否定するのであって、ABCの個別の要素を抱くことを否定しているわけではない、ということ(伝わってるかな)

 

例えば、マジで悪いことを言うと、団地の子の親が家のドアに共産党のポスター貼ってても、なんで共産党なんか支持するんだよ!!とはならない、俺でもそうするやろなとしか思わない。

 

まともな例を出すなら、鬼舞辻無惨の思想も、鬼舞辻無惨並みの肉体ならまあまあ妥当であって、バチギレる炭治郎の方が若干ズレてるまであるよねみたいな話で。

 

ただこれも妥当な流れで感情を抱かない人間も結構多いので、まあそれも逆にリアルとして享受すると面白いのかもしれないみたいな気持ちが最近芽生えてきた。自分が完全に妥当な感情を抱いてる保証もないし。

 

さらに言うと、この"感情の妥当性"みたいなのが、キャラによって比較的高水準で統一されてる作品が多いような気がしてきた。(自分がそういうものを好んで読んだりするからかもしれないが)

 

でも本来それって結構な変な話で、人によってどの程度筋が通ってるかというのはある程度違う筈で、(そもそも竜司育ちめっちゃ悪いし)、非現実的な舞台で現実的な人間を描くという観点からするとかなり良いなと最近は思えるようになりつつある。

 

現実感といえば「気になってる2人をくっつけるために無理矢理テーブル分けて応援しちゃおw」

 

的なノリも高校生感があって絶妙にキモいが、リアリティは確かにあるよな〜みたいな気がしてる。

 

他にも色々な恋愛作品を見たが、あんまり妥当じゃない感情を抱くキャラは少ないので、名作として残ったのはそういう部分があるかもしれない気はした。

 

まあやっぱりそういうの見るとイライラすることもかなりあるけどね、作者の「女」を感じてしまうからなのかな。

 

ここまで、1番やばい女、櫛枝みのりについて触れてこなかったが、正直あいつやば過ぎて、納得行く説明をまだ考えられてない。ホンマにやばいです。

 

川嶋亜美はマジで行動原理には筋が通ってるよね。

わりと好きです。

 

いじらしいんですよね。

 

多分作者の中の恋愛はある時始まる、とかではなく好感度が数値化されて閾値を超えた上で自覚という「当たり判定」が来たら恋愛みたいな感じだと思う。

 

で、冒頭で竜司が好きになる理由がわからないみたいなこと言ってましたが、好きの当たり判定を80とするなら、まあ50-60くらいは好きなわけじゃないですか。あんだけ世話焼いてるし。

 

で、亜美は自覚の段階に至らないようにそれは父性だぜみたいな洗脳(笑)をかけようとするわけですよね。

 

結局ストレートに勝負した大河が勝って、最初から素直で居れたら自分もワンチャンあったんかなみたいな感じで敗者組で仲良くすると。

 

筋が通ってるよね、わりと。時たまライン超えの発言するけど。

 

余談だけど、この数値システムも、わりと一般的な現実の恋愛に近い感じだと思う。それが、男子校上がりだからか、俺には何か不潔なことに思えて、あまり好きではない。

 

好きではないという以上に、数値システム論者としか思えない立ち振る舞いをしている人間ほど男女の友情成立する論者だったりするのがマジでよく分からない。

 

話がズレましたわ。

 

まあ、要はとらドラの感想を一言でまとめると

 

変なとこでリアルでキモいけど逆に味がある

 

って感じ。

 

嫌いって言ってるけどなんだかんだ好きかもしれない。

 

あ、あと、曲が普通にめちゃくちゃ良い。

 

こんなとこか。櫛枝みのりについて思考がまとまったら追記するかもしれません。

 

おわり